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さぁ~この曲でドライビング・ミュージック♪のスタートでぃ~! [ロマン派交響曲]

第2&第4のコサック民族舞踊風の偶数楽章は
実に軽快なキビキビした走りにピッタリなリズムだ!

Transcontinental railroad.jpg

セルゲイ・プロコフィエフ作曲/№5交響曲を聴いてみるベア~♪

 

プロコは革命と戦禍の帝政ロシアを飛び出して、
ストラヴィンスキー同様に自由の国アメリカを目指し、
資本主義国家の啓蒙を肌で感じ取っていった…
相反するように、第1第3の奇数楽章はセンチメンタルな重厚感でいっぱいで、
かたや第2第4の偶数楽章は開放的で叙情性に飛んでいる…
4楽章の中で相反する矛盾要素が、様々に対立しつつ見事な
バランス感覚を持っているこの交響曲は
祖国を出た時にはロシア帝国、帰った時にはソビエト社会主義連邦共和国…
まさしく浦島太郎状態の1944年、第二次世界大戦末期に、
不惑の53歳の大家の手で書かれた!
自由の国アメリカで“体現仕立て”のこの第5のスコアにも
アメリカ大陸横断鉄道の列車が駆け抜けていくシーンが
幼少の頃、祖国で聞いたスラブ民族系の軽妙なリズムと見事にオーバーラップしている…

Прокофьев.jpg

 

オペラ『戦争と平和』 (王子とナターシャのワルツ)

祖国の文豪トルストイ原作『戦争と平和』のオペラ化に着手し、
後にプロコ追悼でハリウッド映画になり、
そして同胞芸術者のセルゲイ・ボンダルチュク監督によって、
ソ連映画の金字塔に銘打ってきた…
この辺もプロコの足跡に似て、東~西~東と往来している。
また渡米を懐古したコロラド州動物日記に寄せた交響的物語
『ピーターと狼』はアメリカの郷愁を誘う…

ピーターと狼 マーチ 交響的物語「ピーターと狼」 op.67(1936年
子供のための音楽作品で、ブリテンの
「青少年のための管弦楽入門」と並ぶポピュラーな作品だ!

絶えず西側/東側の不安定情勢の狭間で
社会主義リアリズムに基づく国家的大作のNo.5交響曲は
プロコ自身にとって政治と思想の波をもろにかぶった事により、
自ずから祖国愛と並行しつつも警鐘を鳴らしていくことになった…

Prokofiev no1(Classcical)no5.jpg

 

 

指揮:ジェームズ・レヴァイン/シカゴ交響楽団
録音:1992/7 シカゴ(Deutsche Grammophon)

 

 

 

 

この曲はやっぱり北米オーケストラだべ!
職人芸の大ヴィルトゥオーゾ集団のシカゴだべ!
そこへきてボッコ振るうのはジェームズ・レヴァインときたら向かうところ、敵ナシ!


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楽器編成増やして壮大な交響曲にヘンシ~ン!⇒ВさんからのNo.1 [ロマン派交響曲]

〝B〟から〝B〟へ引き継ぎ…
     ベートーヴェン交響曲の№10 ???
                            正統的相続人の登場だベアー!

3B.jpg

 

これがヨハネス・ブラームス作曲/№1交響曲…j-brahms.jpg


1855年構想が始まり1876年に初演されるまで、
実に…21年間掛かって43歳で完成させた。
モーツァルト8歳、ベルリオーズ12歳…
名立たる交響曲作家の中では遅咲きすぎだ!
巨星ベートーヴェンの路線を延伸させる者の
重責はあまりにも大きかった。
何もかもヤリ尽くしたベートーヴェンの後塵を
拝していく者が巨星の重圧に苦労し、またチン癖悪い
トコにきてシューマンの妻クララとの不倫騒動や
クララの娘ユーリエ・シューマンとの恋沙汰からの破局…
このロン髭ジイさんのスケベ心がその逆境を跳ね返す、
この曲に駆けるエネルギーは凄まじいもがあるなぁ~!
どうりで21年も掛かるわけだぁ~!                       

                                                              

                                                              

まぁ、考えてみれば…彼の作曲スタンスは
1つの曲を構想していく傍ら、もう1つの曲の楽想を練る…
という多機能型作曲家で、ある曲を作曲していると、
それに盛り込みきれない楽想や、それと対照的な
インスピレーションを使った曲を別なスコアに書き留めていく…

そんな手法で典型的なのがこの第1と…
対極になって、どこかベートーヴェンの№6『田園』のような
牧歌的な曲想タップリの第2だ!

この反復対の作風は、序曲、協奏曲、室内楽を問わず
ありとあらゆる時期に出現している。
当初、この第1は室内楽風な小じんまりとした、
取り合えず交響曲ってな感じだったが…Brahms's grave.jpg

力みなぎるモノ以外、
淘汰していった形式をとり
スコアをまとめたのである。

これこそ…
ベートーヴェンの№10交響曲と言わしめた所以でもある!

4楽章構成…オケもスタンダードな二管編成だが、
一見、古典風な外見の影に、浪漫的発想が充満している…
ここに新たな音楽史の1ページとして
ブラームス流新古典主義の確立がなされた!

そして現代のマエストロたちは…
室内楽風的な交響曲に、多重に折り重なる楽器編成を率いて
南ドイツの田舎臭い室内交響曲から
物量にモノ言わせる派手な大ヴィルトゥオーゾ交響曲として
換えていったのである。

オイラのテーマ曲でもある〝人と成り〟が現れているハズ!?『ハイドンの主題による変奏曲』

 

SBT 3054.jpg

 

 

 

指揮:ルドルフ・ケンペ/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1959/1 ベルリン・グリューネヴァルト教会(TESTAMENT)


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バズーカ重低音炸裂!!(最終楽章finale)の交響曲⇒№3《オルガン付》 [ロマン派交響曲]

昔、マンガ本なら「少年画報」学習誌なら「学研の学習/科学」のご本の本体より
〝付録〟に魅せられて、よく駄々こねて買って貰ったもんだな!
本体よりも付録!主役より脇役!って何かのCMじゃないけど…

〝オーケストラよりパイプオルガン〟なんだベアー。pipecut.jpg

                       

                              

                                  

                                                                                                                 

                                                                                                                   

これがカミーユ・サン=サーンス作曲/№3交響曲《オルガン付》…

純正器楽曲オーケストレーション+αとしてパイプオルガンを連結させて、
オケとパイプオルガンが、これでもか!これでもか!と…
合いの手打つようなアンサンブル演奏が第1楽章から始まりオケと指揮者とオルガンが
昇天していくフィナーレの結末に向かっていく様は地鳴りをあげるがの如く響き渡る
ハ長調和音のオルガンの響き…ゆえに演奏会場は構造、規模共にゴスペルを
揺さぶるような教会ホールみたいな所でやらないと聴き手のニーズを満たされない…
壮大で圧巻な終楽章フィナーレのオルガンの重低音残響は高度なREC技術が必要不可欠で
後世、原作当初(1886年)に無い《オルガン付》のネーミングが付与された所以が頷ける…

ウエスト/ポイント音楽隊の演奏(オルガン:ダイアン・ビシュ)→オケは軍楽奏の主体なので金管が多いな!

設備と身近なトコでオイラはコンサートホール・キタラ(札幌)で聴いてみたい!
世界屈指のパイプオルガンが設置されていて、あのアメリカきっての
大ヴィルトゥオーゾ集団として知られる世界の王者シカゴ交響楽団の
ホームグラウンドでもあるオーケストラコンサートホール(イリノイ州シカゴ)と
肩を並べる音響空間を醸し出している…Saintsaens.jpg

動物園の檻の中を覗き込むような
全14の動物たちの組曲『動物の謝肉祭』は
ピアノを柱にした動態描写はサン=サーンスのオハコ!
中でも13番目の「白鳥」はメロディアスで有名だ!
さしずめ、15番目の組曲として、
このパイプオルガンの動態描写が
動物に例えられて『動物の謝肉祭』に
組み込まれていく程、サン=サーンスが意図とする
「生きモノ」への比喩を延長線上に
シンフォニーに形式を変えて描き切っている…

pocg-7102.jpg

                                                        

                                                        

                                                         

                                                        

                                                         

指揮:チョン・ミュンフン
/パリ・バスティーユ管弦楽団
オルガン:マイケル・マッテス
録音:1991/10 パリ(DEUTSCHE GRAMMOPHON)


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ゴジラ映画のBGM採用(最終楽章)の交響曲⇒№4《ロマンティック》 [ロマン派交響曲]

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初期のゴジラ映画で、                       国会議事堂をゴジラが襲うシーンで使わうBGMに    採用されてもいいぐらいのスペクタキュラーで
 

どこが《ロマンティック》なの?…


それは第1~3楽章に隠されていた…           主旋律なんだベアー。

これが…アントン・ブルックナー作曲/№4交響曲《ロマンティック》…

交響曲作家の3大交響曲というスローガンがある。
ベートーヴェンなら、《英雄》《運命》《第九》。
モーツァルトなら《ラスト3》。ブルックナーの場合はなかなか難しい…
オイラはモーツァルトと同じの《ラスト3》を推挙したいが…
この《ロマンティック》も捨て難いし…第5も外せない…
そこで考えたのが(独断&偏見)  3大・3中・3小…ってのはどうだろう!
3大は文句ナシ7、8、9  3中が3、4、5  
そして3小は0、1、2…
6はこの派生から逸脱し『牧歌』の曲想なので、交響詩と解釈(独断&偏見)悪しからず…

large_156.jpg

ブルックナー交響曲の楽譜は原典版だの、                      ノヴァーク版だの、改訂に継ぐ改訂…
作曲者自身の意向とは違う方向にドンドン曲が替わってしまって…
もぅ手も付けられない状態に陥っちゃって…             原因はブルックナー自身が遺稿を託した
後輩たちやブルックナー協会の音楽研究者が好きなように楽想を
替えてった結果、そして交響曲第 何番(ナンバーリング)とかも    滅茶苦茶になっちゃってきた…

やっと最近になり、                                 ブルックナー協会の新進気鋭の若手研究者たちが
「ノヴァーク版にて統一しょう!」と決め、ナンバーリングを統合、
数字括りを統一した経緯があり、                       この交響曲第4番も混乱から乗じた副題を
《ロマンティック》と付けられた…しかし今では必要ナシ… 

この副題で人気を博してきたのか…ブルックナー交響群の中で売り上げ№1!
ネーミングから通俗性に富んでいて、第一楽章から、万人に受け入れやすい
随喜の涙を流させてくれる綺麗なメロディが、主旋律となって第4まで
串刺しになってるのがサルでも分かる、交響曲の一つかもしれない…
ただ、戴けないのが第4楽章である。第1~3楽章まで悠久の流れを組むブルックナー
独特の『原始霧』で表現した曲想を、見事というぐらい、ぶち壊しに掛かっちゃってる~!
これは改訂者の詭筆ではなく、作曲者そのもののスコア書き下ろしである…
だとすると、やはりブルックナーの精神分裂症の成せるワザ!頷ける…
すべての交響曲(0~9番)が終楽章でドンデン返しを食らうのである。
これだけナイスなドンデン返しを聴けるのはブルックナー精神分裂症交響曲群だけである。

BrucknerSymphonieNr4DGCD4395222small250.jpg

 

 

 


指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団        録音:1975/4 ハンブルグ(GALLERIA)

 


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派手なクライマックス(最終楽章)の交響曲⇒№7《夜の歌》 [ロマン派交響曲]

冒頭の第1~4楽章は標題の「夜の歌」らしく静かな月夜に
流れる夜想曲(Nachtmusik)風で、
それが終楽章第5になると一転して…

いきなりティンパニの叩きつける切り裂き音でマーラー特有のマーチ風の
派手なドンチャン騒ぎが、オッ始まる!

これがグスタフ・マーラー作曲/№7交響曲《夜の歌》…

派手すぎて、〝ドハデドンチャン交響曲〟ってネーミングされたぐらい…


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まるでヒットラー総統率いるドイツ軍、大機甲師団の

軍事パレードに使われたような行進曲で身も心も躍り出す。
 

鉄砲でも槍でも持って来いや~!のドンチャン騒ぎ…

 さしづめ静寂な“夜”のムードから
エネルギッシュな“昼”のイメージに移り変わった様子で、
そう!まさにベートーベンの『苦悩から歓喜へ!』のあのヤリ方…

この辺りがベートーベンの後継者の由縁があるところで
「青春の苦悩」の曲想も巨匠から受け継いだ遺伝子がみなぎっている…

      マーラーは50歳で生涯を閉じる時にimg20091127232123241.jpg
         「やがて私の時代が来る…」
            と言い残して他界した。


今まさに巨匠ベートーベンの後塵、拝しての
生誕150年にふさわしいマーラー・ブーム
オーケストラ編成の多重性、
   サイケデリックかつ大胆な交響曲構成、
            現代人が持つ苦悩と不安…

どれもが100年前に作曲着手した楽想とは思えないほどに
現代音楽にマッチしている…
マーラー交響群は、今でも後世の演奏家たちに             スコアー指示を投げかけていくのと同時に
未来に向けての問い掛けを暗示しているようだ!

 

XAT-1245245063.jpg

 

 

 

 

指揮:ピエール・ブーレーズ/クリーブランド管弦楽団
録音:1994/11 クリーブランド(Deutsche Grammophon)

 


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